水の健康的な飲み方とその量について

水の健康的な飲み方とその量について

人間の体は、成人なら約60%が水分でできているのに対し、赤ちゃんは約75%が水分でできています。飲料水として体内に取り入れた水分は、体液や血液として体内をくまなく循環し、必要な酸素や栄養素を運搬する役割を担います。体内に蓄積された老廃物を尿や便として排出する際にも水分が欠かせません。また、体温調節機能の一つである発汗においても水分が活用されます。

このほかにも呼気や皮膚からの蒸発など、私たちの体内にある水分は自然と体外へ排出されており、その量は少なくとも1日に2500mlに達すると言われています。失われる水分量と飲料水や食事から摂取する水分量とのバランスが崩れると様々な身体症状が現れ、最悪の場合は死に至ることもあります。

ここでは、水の健康的な飲み方とその量についてご紹介します。

脱水の兆候と水分補給の重要性

水分補給を怠ると、徐々に体内の水分量が減少し様々な症状(脱水症状など)が現れます。

自覚症状として最も早く現れるのは喉の乾きです。これは、体重の2%に相当する量の水分が失われた時点で感じられ、さらに3%が失われると、のどの渇きを感じなくなり、何となく意識がぼんやりとしてきたり、食欲がなくなるなどの症状が現れます。それ以上に水分が失われていくと、頭痛やめまい、脱力感などの症状に襲われ、10%にまで達すると筋肉の痙攣や生死に関わる重篤な状態に陥ります。

成人が1日に必要な水分摂取量は生活する環境などによって変わりますが、2000ml~2500mlと言われており、このうち1200ml~1500 mlは食事などから摂取することができるため、800ml~1000mlは飲料水として摂取することが大切だと言われています。赤ちゃんの場合、10kgぐらいまでは体重1kg当たり約100mlの水分量が必要だと言われています。

この数値はあくまでも目安ですから、たくさん運動をした時や、発熱、嘔吐などで大量の汗が出ている時などは通常よりも多くの水分を補給するように心掛けましょう。

水分補給は「少量頻回」が原則

水は一気にたくさん飲むのではなく、コップ一杯程度の水を1日に6~8回程飲むのが好ましいとされています。一度に大量の水を摂取すると内臓に負担がかかり、許容量を越えてしまうと腎臓で処理しきれなくなった水分が体内に貯留し始めます。

その結果ナトリウムイオン濃度が低下し、頭痛や倦怠感、精神症状や呼吸困難を引き起こす可能性があるのです。真夏の炎天下での作業中や運動中なども同様、水分補給は「少量頻回」が原則です。

水分補給を習慣化するには

仕事や家事に追われていると、つい水分補給のことを忘れてしまうということもしばしば。水分補給は、脱水症状が現れてから行うのではなく、口唇の乾燥、頭痛やめまいなどの兆候が現れる前に行うよう習慣付けなければなりません。移動が多い場合はマイボトルを携帯し、いつでも水分補給ができるよう準備しておきましょう。

1日の中でも脱水状態になりやすいタイミングをおさえて水分補給をすることも大切です。睡眠中の発汗や呼気により大量の水分が失われている起床直後、全身の代謝が高まる入浴後の水分補給は特に重要です。また、一晩の睡眠でコップ一杯ほどの汗をかくと言われる睡眠前にも、水分を補給することをおすすめします。

水分補給は私たちの生活の中でも非常に重要な行動であり、欠かしてしまうと身体へ悪影響を及ぼしてしまいます。一日に摂取すべき水分の量をきちんと把握し、効果的なタイミングで水分を補給するようにしましょう。

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